コラム

公開日 2026.06.30 更新日 2026.06.30

土地活用による節税対策!不動産の相続や確定申告のポイントも公開 

土地を所有していると、活用していない土地であっても固定資産税や都市計画税がかかり、将来的に相続税の負担が発生する可能性もあります。

こうした税負担を抑える方法として有効なのが、賃貸住宅や駐車場、太陽光発電などによる土地活用です。

ただし、活用方法によって必要な費用や管理の手間、期待できる節税効果は大きく異なります。

本記事では、土地活用で節税できる税金の種類から具体的な活用方法、確定申告のポイント、失敗しない選び方まで解説します。

土地活用で節税できる可能性がある税金とは

土地を有効活用すると、固定資産税や都市計画税、相続税、贈与税などの負担を抑えられる場合があります。

ただし、適用できる節税方法は土地の条件や活用方法によって異なる点に注意が必要です。

以下では、各税金の負担を軽減する仕組みや、節税につなげるためのポイントを詳しく解説します。

固定資産税の負担を軽減する仕組み

固定資産税の負担を減らすには、土地の利用状況を見直すことが重要です。

住宅用地として利用する場合は、特例により課税標準額が最大6分の1に減額されます。

そのため、空き地のまま放置せず、住宅やアパートを建てて貸し出すことは、固定資産税の負担軽減に有効です。

一方、駐車場として活用する場合は住宅用地の特例を受けにくいものの、土地の評価方法によっては節税につながることがあります。

土地の現状や用途に合った活用方法を検討することが、固定資産税対策の第一歩です。

都市計画税を抑えるポイント

都市計画税は、市街化区域内などにある土地や建物に課税される税金です。

土地を住宅や賃貸住宅の敷地として利用している場合、住宅用地の特例により課税標準額が軽減されることがあります。

ただし、都市計画税の軽減割合は固定資産税とは異なります。

小規模住宅用地では課税標準額が3分の1、一般住宅用地では3分の2に軽減されるのが基本です。

土地や建物の利用状況を正しく把握し、必要に応じて自治体へ申告しましょう。

相続税の評価額を下げる方法

土地の相続税評価額を下げる方法の1つに、建物を建てて賃貸に出す方法があります。

空き地のまま所有している場合、貸家建付地としての評価減を受けられないため、相続税評価額が高くなりやすい点に注意が必要です。

一方、建物を建てて第3者に貸し出すと、土地は「貸家建付地」として評価され、自用地として評価される場合よりも評価額が下がることがあります。

そのため、土地の賃貸利用は、相続税対策の1つとして検討される方法といえるでしょう。

生前対策としての贈与税の節税効果

生前に土地を贈与する場合、方法によっては税負担を抑えながら資産を引き継げる可能性があります。

暦年贈与には年間110万円の基礎控除がありますが、相続開始前の一定期間内に受けた贈与は、110万円以下であっても相続税の課税価格に加算される場合があります。

そのため、相続税対策として贈与を行う際は、加算対象期間や贈与方法を確認することが大切です。

土地の贈与には登記手続きや評価額の確認も必要になるため、事前に専門家へ相談したうえで進めましょう。

高い節税効果が見込める土地活用アイデア4選

土地活用にはさまざまな方法があり、選ぶ手法によって期待できる節税効果や、注意すべきリスクの内容は変わります。

所有する土地の特性や今後のライフプランに合った方法を選ぶことで、税負担を抑えながら資産を有効活用できるでしょう。

以下では、アパート経営や福祉施設としての活用、等価交換など、節税効果が見込める代表的な方法を詳しく解説します。

アパート・マンションの賃貸経営による節税

アパートやマンションを建てて賃貸に出すと、土地の評価額が下がり、固定資産税や相続税の負担を抑えられる場合があります。

また、減価償却費や修繕費を経費として計上できれば、所得税や住民税の節税につながることもあります。

安定した入居が見込める土地であれば、節税対策だけでなく、家賃収入も期待できるでしょう。

一戸建て住宅の賃貸経営(戸建賃貸)

一戸建て住宅を賃貸に出すと、税負担を抑えられる場合があります。

住宅用地として扱われれば、固定資産税や都市計画税の優遇措置を受けられ、空き地のままより負担を軽減しやすくなります。

また、貸家として活用することで相続税対策にもつながり、家賃収入や修繕費の経費計上も期待できる土地活用の方法といえるでしょう。

サービス付き高齢者向け住宅などの福祉施設

高齢者向け住宅やグループホームなどの福祉施設を土地に建設すると、要件次第で税制優遇の対象になる場合があります。

たとえば、サービス付き高齢者向け住宅では、一定期間内に新築された貸家住宅で、登録や戸数、床面積、補助金などの要件を満たす場合、固定資産税の減額対象となることがあります。

ただし、都市計画税まで一律に軽減されるとは限りません。

制度の適用可否は自治体によって扱いが異なる場合もあるため、建設前に最新の要件を確認することが大切です。

また、運営には行政手続きや体制整備も必要になるため、専門家へ相談しながら進めましょう。

等価交換を活用した税負担の軽減

等価交換とは、土地所有者が自分の土地を不動産会社などに提供し、その代わりに建物の一部や完成後の住戸を受け取る仕組みです。

土地をすべて現金化する場合に比べ、資産の受け取り方によって税負担を調整できる場合があります。

ただし、課税時期を先送りできる特例には、資産の種類や用途、所有期間、時価差、申告などの要件があります。

交換差金を受け取った場合や、要件を満たさない部分は課税対象となることもあるため、契約前に税務上の扱いを確認することが大切です。

手軽に始められる土地活用方法の節税効果

土地活用は、大規模な建築や多額の初期費用が必要な方法だけではありません。

たとえば、駐車場や太陽光発電など、比較的始めやすい方法でも、土地の状況によっては税負担を抑えられる場合があります。

以下では、手軽に検討しやすい土地活用の方法と、それぞれに期待できる節税効果を解説します。

駐車場経営

駐車場経営は、土地を活用しながら収益化を目指せる方法です。

ただし、住宅用地のような固定資産税や都市計画税の優遇は受けにくい傾向があります。

一方で、事業として運営すれば、管理費や修繕費、借入金利などを経費として計上できる場合もあるでしょう。

また、設備にかかる費用を減価償却できれば、所得税や住民税の負担を抑えられる可能性があります。

太陽光発電による土地有効活用

太陽光発電は、使い道に悩む土地を活用しながら、売電収入を得られる可能性がある方法です。

農地や活用が難しい土地でも、条件によっては設備を設置できる場合があります。

また、設備費や維持管理費を経費計上できれば、所得税や住民税の負担を抑えられる可能性もあります。

ただし、太陽光発電設備は償却資産として固定資産税の申告対象になる場合があるため、税額が更地より低くなるとは限りません。

初期投資や売電価格の変動も踏まえ、事前に収支を確認することが大切です。

田舎の土地や変形地でも可能な活用法

地方にある土地や変形地でも、活用方法を工夫すれば収益化や節税につながる場合があります。

たとえば、市民農園として貸し出すほか、資材置き場やトランクルームとして活用する方法も考えられるでしょう。

また、都市部ほど需要は多くないものの、家庭菜園や地方移住への関心から、一定の需要が見込めるケースもあります。

そのため、土地の形状や周辺環境を踏まえ、用途に合った活用方法を選ぶことが大切です。

借入金(ローン)を活用した更なる節税メリット

借入金を活用した土地活用では、自己資金を残しながら建物や設備を整えられる場合があります。

また、業務に関係する借入金の利息は必要経費にできることがあり、課税所得を抑える要素になります。

ただし、元本返済そのものは経費にならないため、借入をすれば必ず節税できるわけではありません。

返済計画や空室リスクも踏まえ、無理のない資金計画を立てることが大切です。

以下では、借入金と税務上の扱いについて解説します。

借入金で得られる節税効果の仕組み

借入金を活用すると、建物や設備を整備する際の資金を確保しやすくなります。

税務上は、業務に関係する借入金の利息を必要経費にできる場合があり、課税所得を抑えることにつながるでしょう。

一方で、借入金の元本返済は経費ではないため、借入自体がそのまま節税になるわけではありません。

相続税対策でも、死亡時に残る確実な債務は相続財産から控除できる場合がありますが、資産価値や返済負担も含めて判断することが大切です。

納税資金対策としての融資活用

納税資金対策として融資を活用すると、土地活用で発生する税金に備えやすくなります。

たとえば、収入に対する税金で手元資金が不足する場合は、融資で補う方法があります。

また、アパート経営や駐車場経営では、初期投資や運営資金を借入で賄えば、業務に関係する支払利息を経費計上できる場合もあるでしょう。

ただし、元本返済は経費にならないため、返済負担を含めた資金計画が必要です。

土地活用で節税するための確定申告のコツ

土地活用で節税効果を得るには、収入や経費を正しく把握し、確定申告で適切に申告することが欠かせません。

特に、アパート経営や駐車場経営では、減価償却費や修繕費、ローン利息などを経費として計上できる場合があります。

ここでは、土地活用で税負担を抑えるために知っておきたい確定申告のポイントを解説します。

収入が20万円を超えたら確定申告が必要

給与所得者の場合、給与・退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超えると、所得税の確定申告が必要になることがあります。

土地活用では、収入ではなく、収入から必要経費を差し引いた所得で判定する点に注意が必要です。

たとえば、駐車場経営やアパート賃貸、太陽光発電の売電収入も、所得が発生すれば申告対象になる場合があります。

住民税は別途申告が必要になることもあるため、自治体の案内も確認しておきましょう。

大きな控除を受けられる青色申告を活用する

青色申告を活用すると、土地活用による所得から一定額を控除でき、税負担を抑えられる場合があります。

たとえば、必要な帳簿を作成し、要件を満たして申告すれば、最大65万円の特別控除を受けられるでしょう。

また、家族が事業に従事している場合は、青色事業専従者給与として経費計上でき、課税所得の軽減につながります。

一方で、白色申告に比べて帳簿作成などの手間は増えるため、制度の内容を確認したうえで検討することが大切です。

青色事業専従者給与で経費を増やす

青色事業専従者給与を活用すると、家族に支払った給与を経費として計上でき、所得税や住民税の負担を抑えられる場合があります。

ただし、対象となるのは、実際に事業に従事している家族です。

配偶者や子どもが業務を担う場合は、仕事内容や労働時間に応じた適切な給与額を設定し、事前に税務署へ届出を行う必要があります。

要件を満たして活用すれば、土地活用で得た所得の節税にもつながるでしょう。

土地活用を選ぶ際の重要な3つのポイント

土地活用で節税効果を高めるには、土地の条件や将来の相続まで見据えて方法を選ぶことが大切です。

また、活用後の管理のしやすさや、相続人への引き継ぎやすさも考慮する必要があります。

ここでは、土地活用を選ぶ際に押さえておきたい3つのポイントを解説します。

土地の利用規制や用途地域の確認

土地活用で節税を目指すなら、まず土地の利用規制や用途地域を確認することが重要です。

用途地域には住居系地域や商業地域などがあり、地域によって建てられる建物や用途が法律で定められています。

たとえば、アパートを建てたいと考えても、土地が工業専用地域にある場合は、原則として住宅を建てられません。

さらに、建ぺい率や容積率も確認し、希望する規模や設計の建物を建てられるか事前に調べておくことが大切です。

周辺市場の需給動向をリサーチする

土地活用で節税を目指すなら、周辺市場の需給動向を事前にリサーチすることが大切です。

入居者や利用者の需要を確認しないまま始めると、期待した節税効果や収益につながらない可能性があります。

具体的には、近隣の賃貸物件の空室率や家賃相場、人口の増減、新しい商業施設や学校の建設予定などを調べておきましょう。

また、統計情報や不動産会社による現地調査も参考にしながら、長期的に安定した収益を見込める活用方法を選ぶことが重要です。

将来の相続人が管理しやすいか検討する

土地活用を考える際は、将来の相続人が管理しやすいかどうかも事前に検討しておくことが大切です。

節税効果だけを重視して活用方法を選ぶと、相続後に家族の管理負担が大きくなる可能性があります。

たとえば、アパート経営は安定した収入が見込める一方で、入居者対応や修繕管理が必要です。

一方、駐車場や太陽光発電は比較的手間を抑えやすいものの、相続人が複数いる場合は、相続後の分け方や管理体制まで考えておく必要があります。