コラム

公開日 2026.09.18 更新日 2026.09.18

土地活用でテナント経営を成功させる方法!4つの事業形態についても解説

土地活用の方法としてテナント経営を検討しているものの、「どの事業形態を選べばよいのか」「本当に安定した収益を見込めるのか」と迷う方も多いのではないでしょうか。
テナント経営には、建物を貸す方式や事業用定期借地権、ロードサイド店舗、複合テナントビルなど複数の選択肢があります。

本記事では、テナント経営の事業形態やメリット・デメリットまで解説します。
土地の特性や、資金計画に合う活用方法を検討する際の参考にしてください。

テナント経営で選べる代表的な4つの事業形態

テナント経営には、建物を貸す方式、事業用定期借地権で土地のみを貸す方式、ロードサイド店舗、複合テナントビルなどがあります。
それぞれ必要な初期投資や管理負担、契約形態、収益の得方が異なるため、土地の立地や広さ、資金計画に合わせて選ぶことが重要です。

ここでは、テナント経営における4つの事業形態について解説します。

店舗・オフィスなど建物を貸す方式

店舗やオフィスなどの建物を貸す方式は、土地所有者が建物を用意し、飲食店や事務所、クリニックなどの事業者へ賃貸する方法です。
複数の業種を対象にでき、契約条件によっては継続的な賃料収入を見込めます。
一方で、建築費や設備費などの初期投資が必要となり、テナントが退去した場合は次の借り手が決まるまで収入が減少する可能性があります。

また、業種によって必要な設備や内装条件も異なるものです。
周辺の事業需要や賃料相場を調べ、想定するテナントに合った建物を計画することが大切です。

事業用定期借地権で土地のみを貸す方式

事業用定期借地権は、店舗や事務所、工場など専ら事業の用に供する建物の所有を目的として、土地のみを一定期間貸し出す方法です。
建物は借地人が建築するため、土地所有者が建築費を負担せずに地代収入を得られる点が特徴です。
契約期間は10年以上50年未満で、期間によって契約上の取り扱いが異なります。

また、契約は公正証書によって行う必要があり、契約終了時の建物撤去や土地返還の条件も確認が必要です。
そのため、借り手の事業計画や地代、契約期間を比較し、将来の土地利用も踏まえて検討しましょう。

ロードサイド店舗による活用

ロードサイド店舗による活用は、幹線道路など車の交通量が多い場所で、飲食店やコンビニ、ドラッグストアなどの店舗用地として運用する方法です。
特に郊外では、十分な駐車スペースや道路からの出入りのしやすさが集客を左右する重要な条件になります。
一方で、交通量が多ければ必ず需要が見込めるわけではなく、周辺人口や競合店舗、道路の進行方向なども確認が必要です。

また、業種によって建物の仕様や必要な設備が異なります。
出店候補となる事業者のニーズを調べ、土地の形状や接道状況を踏まえて計画することが大切です。

複合テナントビルによる活用

複合テナントビルは、1棟の建物を複数の区画に分け、店舗やオフィス、クリニックなど複数の事業者へ貸し出す方法です。
複数のテナントから賃料を得るため、1社が退去しても建物全体の賃料収入が直ちになくならない点はメリットです。
一方で、建築費や共用部分の維持管理費がかかり、複数の入居者との契約や設備管理も必要になります。

また、業種の組み合わせによって利用者の動線や営業時間が異なるため、テナント構成にも配慮が必要です。
周辺需要や階層ごとの使いやすさを踏まえ、長期的な収支を試算して計画しましょう。

テナント経営で土地活用する5つのメリット

テナント経営には、収益性や資金面、運営負担、税務、管理方法など複数のメリットがあります。
ただし、実際の効果は立地や建物の仕様、契約内容によって異なるため、一律に有利とは限りません。

以下では、テナント経営で土地活用を行う5つのメリットについて解説します。

アパート・マンション経営より高い収益性を見込める場合がある

テナント経営では、立地や業種によってはアパート・マンションより高い賃料を設定できる場合があります。
特に駅前や商業地、幹線道路沿いなど事業需要の高い場所では、土地の収益性を高められるかもしれません。
一方で、事業用物件は景気や業種の影響を受けやすく、退去後に次のテナントが決まるまで時間がかかることもあるでしょう。

また、賃料水準は周辺相場や建物の仕様によって大きく変わります。
住居系との表面的な賃料差だけで判断せず、空室期間や維持費も含めた収支を比較することが重要です。

住居系より抑えられる初期投資

テナント向けの建物は、住居系物件より初期投資を抑えられる場合があります。
店舗や事務所では、内装を借主側が施工するスケルトン渡しを採用できることがあり、オーナーが負担する内装費を抑えやすいためです。
また、1棟貸しや大きな区画で貸す場合は、住居のように多数のキッチンや浴室を設ける必要がないケースも少なくありません。

ただし、業種によっては給排水や空調、防火設備など高額な設備が必要になることもあります。
建築費だけで判断せず、想定するテナントの設備要件まで含めて初期費用を見積もりましょう。

契約条件を明確にすることで運営上のトラブルを抑えやすい

テナント経営では、住宅賃貸とは異なる種類のトラブルが中心となるため、契約条件を明確にすれば運営負担を抑えられる場合があります。
営業時間や看板、原状回復、設備修繕、共用部分の利用方法などを契約時に具体的に定めておくことが重要です。

一方で、法人や事業者との契約であっても、賃料滞納や騒音、臭気、近隣からの苦情などが発生しないとは限りません。
業種によってリスクの内容も異なるため、入居審査や契約条件の確認が欠かせません。
そのため、管理会社への委託も含め、想定されるトラブルへの対応方法を事前に整えておきましょう。

相続税・固定資産税の節税効果

テナント経営では、土地や建物の利用状況によって相続税評価が変わり、一定の節税効果が生じる場合があります。
たとえば、建物を第三者へ賃貸している土地は、要件を満たせば相続税評価上「貸家建付地」として評価されることがあるでしょう。

一方、固定資産税は建物を建てれば必ず下がるわけではなく、住宅用地に適用される特例が事業用建物の敷地へ同様に適用されるとは限りません。
税負担は用途や契約形態によって異なるため、節税だけを目的に判断せず、税理士などへ確認することが大切です。

管理コストを軽減できる契約体系

テナント経営では、契約内容を工夫することでオーナー側の管理負担を軽減できる場合があります。
例えば、1棟貸しやフロア貸しでは、清掃や一部設備の維持管理、内装管理などをテナント側の負担とする契約も考えられます。
また、長期契約となれば、頻繁な入退去に伴う募集や原状回復の手間を抑えられることがあるでしょう。

ただし、建物の構造部分や法定点検など、オーナー側が負担すべき管理まで全てテナントへ任せられるわけではありません。
費用負担や修繕範囲を契約書で明確にし、管理責任の所在を事前に整理しておくことが重要です。

テナント経営で押さえておきたいデメリットとリスク

テナント経営では、空室やテナント選定、災害、退去時の原状回復など、事前に把握しておきたいリスクがあります。
収益性だけを見て始めると、想定外の支出や運営負担につながる場合もあるでしょう。

景気や立地、契約条件によって影響の大きさが変わるため、代表的なリスクと対策について以下で解説します。

景気変動による空室リスク

テナント経営では、景気の悪化や周辺需要の変化によって空室が長引くリスクがあります。
店舗や事務所は事業者の業績に左右されやすく、退去後に次の借り手がすぐ決まるとは限りません。
空室期間が長くなると賃料収入が減る一方、固定資産税や建物の維持費などの負担は続きます。

この場合の対策としては、立地や競合状況を調べ、複数業種から需要を見込める建物にすることが重要です。
また、複数区画に分けて貸し出す方法や、賃料設定を見直すなど、空室時の影響を抑える工夫も検討しましょう。

優良テナント誘致の難しさ

テナント経営では、長期的に安定して入居してくれる事業者を見つけることが大きな課題です。
立地や建物の条件が良くても、周辺需要や競合状況、賃料水準が合わなければ希望するテナントが決まらない場合があります。
そのため、出店需要のある業種を事前に調査し、仲介会社などを通じて幅広く募集することが重要です。

また、契約前には事業内容や資金状況、賃料の支払能力なども確認しましょう。
空室を埋めることだけを優先せず、長期的に運営できるテナントかどうかを見極めることが大切です。

地震保険に加入できないリスク

事業用の店舗やオフィスは、住宅を対象とする一般的な地震保険の対象外となるため、地震による損害への備えを別途検討する必要があります。
火災保険だけでは、地震・噴火・津波を原因とする損害が補償されない場合もあるため、契約内容の確認が欠かせません。
保険会社によっては事業用建物向けの地震補償商品や特約が用意されている場合があります。

また、耐震性能を考慮した建物にすることや、修繕費を確保しておくことも対策の一つです。
そのため、加入できる保険や補償範囲を比較し、災害時の資金負担に備えましょう。

退去時の原状回復トラブル

テナント退去時は、内装や設備をどの状態まで戻すかをめぐって原状回復トラブルが生じることがあります。
店舗やオフィスでは借主が独自の内装工事を行うケースも多く、契約時の取り決めが曖昧だと撤去範囲や修繕費の負担で意見が分かれやすくなります。

そのため、スケルトン返しの有無や設備の撤去、修繕費の負担区分などを契約書に具体的に記載しておくことが重要です。
また、入居時の状態を写真や図面で記録し、工事内容も書面で残しておくと確認しやすくなります。

まとめ:土地活用でテナント経営を成功させる秘訣

テナント経営は、土地や建物を事業者へ貸し出して賃料収入を得る土地活用で、立地や資金計画に応じて複数の事業形態を選べます。
収益性や管理負担の軽減が期待できる一方、空室、テナント誘致、災害、原状回復などのリスクにも備える必要があります。

また、安定した経営を目指すには、周辺需要の調査、収支シミュレーション、建築プランの検討、契約条件の明確化が欠かせません。
そのため、建築費や利回りだけで判断せず、空室期間や修繕費、借入返済まで含めて長期的な収支を確認しましょう。
複数の不動産会社や専門会社から提案を受け、条件やリスクを比較しながら、自分の土地に合う方法を選ぶことが成功への近道です。

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