コラム

公開日 2026.09.18 更新日 2026.09.18

相続した土地を手放したい方必見!主な5つの方法と注意点について解説

相続した土地を手放したいと考えても、売却や相続放棄、国への引き渡しなど、どの方法を選べばよいのか迷う方は少なくありません。
土地は所有を続けるだけでも固定資産税や管理の負担が生じ、遠方にある場合や活用予定がない場合は、早めに処分方法を検討することが大切です。

本記事では、相続した土地を手放す主な方法や少しでもお金を残して売却するコツやまで分かりやすく解説します。

相続した土地を手放したいと考える主な理由

相続した土地を手放したいと考える背景には、固定資産税などの維持費、遠方での管理負担、放置による近隣トラブルへの不安があります。
使い道のない土地でも所有を続ければ費用や手間がかかるため、早めに処分を検討する方も少なくありません。

以下では、代表的な3つの理由を解説します。

固定資産税など維持コストの負担が大きい

相続した土地は、利用していない場合でも原則として固定資産税の課税対象となります。
ただし、非課税となる土地や免税点未満の場合など、課税されないケースもあるでしょう。
さらに、草刈りや樹木の剪定、境界の確認など、土地を適切に維持するための費用や手間も発生します。

特に、収益を生まない土地では支出だけが続きやすく、長期的な負担を感じる方も少なくありません。
こうした維持コストが積み重なることで、活用予定のない土地を早めに売却したり、ほかの方法で手放したいと考えるきっかけになります。

遠方にあり管理や活用が難しい

相続した土地が自宅から遠い場所にあると、定期的な見回りや草刈り、清掃のために移動時間や交通費がかかり、管理の負担が大きくなります。
また、周辺の不動産需要や土地の活用方法を把握しにくいため、使い道を決められないまま放置してしまうこともあります。

さらに、管理が行き届かない状態が続けば、雑草やごみなどの問題につながる可能性もあるでしょう。
遠方で自分による管理が難しい場合は、現地の不動産会社や管理サービスへ相談し、売却や管理方法を早めに検討することが大切です。

放置による近隣トラブルや損害賠償のリスク

相続した土地を適切に管理せず放置すると、雑草や樹木が隣地へ越境したり、ごみの不法投棄が発生したりして、近隣住民とのトラブルにつながる可能性があります。
また、建物が残っている場合は、老朽化した外壁や屋根材の落下、倒壊などによって第三者へ損害を与えかねません。

ただし、状況によっては、所有者が管理責任や損害賠償責任を問われることもあるため注意が必要です。
こうしたリスクを抑えるには、定期的に状態を確認し、管理が難しい場合は売却や専門業者への管理委託などを早めに検討することが重要です。

相続した土地を手放す5つの方法

相続した土地を手放す方法には、相続放棄や相続土地国庫帰属制度、売却、寄付、無償譲渡などがあります。
どの方法が適しているかは、土地の状態や相続財産の内容、費用負担などによって異なるものです。

以下では、代表的な5つの方法とそれぞれの特徴を解説します。

相続放棄で一切の権利義務を手放す

相続放棄をすると、土地だけでなく預貯金や借金などを含む相続財産を原則としてすべて引き継がない扱いになります。
不要な土地の管理負担を避けられる一方、価値のある財産だけを残して土地のみを放棄することはできません。

また、相続放棄には家庭裁判所への申述が必要で、申述できる期間にも制限があります。
そのため、土地の負担だけで判断せず、相続財産や債務の全体を確認したうえで、ほかの相続人への影響も考慮しながら慎重に検討することが重要です。

相続土地国庫帰属制度で国に引き渡す

相続土地国庫帰属制度は、相続などで取得した土地を一定の要件のもとで国へ引き渡せる制度です。
利用するには法務局へ申請し、土地の状態について審査を受ける必要があります。
ただし、建物が残っている土地や担保権が設定されている土地など、制度を利用できないケースもあるため注意が必要です。

また、承認された場合は原則として負担金を納付します。
売却先が見つかりにくく、自分で管理を続けることも難しい土地では、制度の対象となるか事前に確認して検討するとよいでしょう。

不動産会社に仲介を依頼して売却する

相続した土地に一定の需要が見込める場合は、不動産会社へ仲介を依頼して売却する方法があります。
仲介を利用すると、土地の査定や販売活動、買主との条件調整、売買契約までの手続きを支援してもらえます。
一方で、立地や形状、市場の需要によっては売却まで時間がかかったり、希望価格で売れなかったりすることもあるでしょう。

また、成約時には仲介手数料などの費用が発生します。
複数の不動産会社へ査定を依頼し、価格だけでなく販売方針や対応内容も比較して依頼先を選ぶことが大切です。

国や自治体へ寄付を相談する

相続した土地を国や自治体へ寄付したい場合は、まず受け入れの可否を相談する必要があります。
寄付を申し出れば必ず引き取ってもらえるわけではなく、公共利用の必要性や土地の場所、管理上の負担などを踏まえて判断されます。
そのため、利用予定がない土地を一方的に寄付して所有権を手放すことはできません。

また、自治体へ寄付を希望する場合は、財産管理などを担当する窓口へ相談し、受け入れ条件や必要書類を確認しましょう。
国への寄付についても、対象となる財産や手続きについて所管機関へ事前に確認することが大切です。

近隣住民や個人へ無償譲渡する

相続した土地を、近隣住民や知人などへ無償で譲渡するのも一つの方法です。
市場では買い手が見つかりにくい土地でも、隣地と一体で利用したい人や、駐車場などに活用したい人であれば譲り受けてもらえる可能性があります。
ただし、無償譲渡でも贈与契約の内容を書面で整理し、登記上の名義を新しい所有者へ変更する所有権移転登記を行うことが重要です。

なお、所有権移転は当事者の合意で効力を生じますが、第三者に権利を主張するには登記が必要とされています。
また、土地の境界や利用状況を事前に確認し、条件を書面で整理しておくことも重要です。

相続放棄で土地を手放す際の注意点

相続放棄で土地を手放す場合は、申述期限や他の相続財産への影響、放棄後に残る可能性がある管理上の責任を確認しておくことが重要です。
土地だけを選んで放棄することはできないため、遺産全体を把握したうえで判断する必要があります。

以下では、相続放棄を選ぶ際の主な注意点を解説します。

相続放棄には3ヶ月の期限がある

相続放棄は、原則として自分のために相続が開始したことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ申述する必要があります。
この期間は「熟慮期間」と呼ばれ、相続財産や債務の内容を確認したうえで、放棄するかどうかを判断する期間です。

なお、調査に時間がかかり、3か月以内に判断できない場合は、家庭裁判所へ熟慮期間の伸長を申し立てられることがあります。
ただし、期限を過ぎてからでは希望通りに放棄できない可能性があるため、相続を知った段階で早めに財産状況を確認することが大切です。

預貯金など他の財産もすべて放棄することになる

相続放棄をすると、不要な土地だけでなく、預貯金や株式などのプラスの財産と、借金などのマイナスの財産を含め、相続人としての権利義務を原則として承継しない扱いになります。
そのため、「土地は放棄して現金だけ受け取る」といった選択はできません。

なお、価値のある財産が含まれている場合は、土地を売却したり譲渡したりする方法と比較して判断する必要があります。
相続放棄を選ぶ前に遺産全体の内容を確認し、自分にとってどの方法が適しているか慎重に検討することが重要です。

放棄後も管理義務が残るケースがある

相続放棄をしても、放棄した時点で土地を現に占有している場合は、相続人や相続財産清算人などに引き渡すまで、その財産を保存する義務が残ることがあります。
そのため、放棄しただけで直ちに管理上の対応がすべて不要になるとは限りません。

特に、老朽化した建物がある土地や近隣への影響が懸念される土地では、放棄後の対応も確認しておく必要があります。
なお、引き継ぐ人がいない場合などは、必要に応じて相続財産清算人の選任申立ても検討し、専門家へ相談しながら進めると安心です。

少しでもお金を残して土地を手放すコツ

相続した土地を少しでも有利に手放すには、売却価格だけでなく、買い手の探し方や売却前の準備も重要です。
複数の不動産会社への査定依頼や空き家バンクの活用、相続登記を済ませておくことで、売却の可能性や手続きの進めやすさが変わります。

以下では、手元にお金を残すための具体的なコツを解説します。

複数の不動産会社に査定を依頼する

相続した土地を売却する際は、1社だけで決めず、複数の不動産会社に査定を依頼して比較することが大切です。
会社ごとに査定額や販売方法、得意とする地域や物件の種類が異なるため、比較することで相場感をつかみやすくなります。

また、高い査定額だけで判断せず、その価格の根拠や販売戦略、担当者の対応も確認しましょう。
そのため、複数社の提案を比べることで、土地の特徴に合った売却方法を選びやすくなり、納得できる条件で手放せる可能性が高まります。

空き家バンクへの登録を検討する

相続した土地に空き家がある場合は、自治体が運営する空き家バンクへの登録も選択肢になります。
空き家バンクは、売却や賃貸を希望する所有者と、移住や住み替えなどで物件を探す人をつなぐ仕組みです。
一般の不動産市場では買い手が見つかりにくい地域でも、活用を希望する人から問い合わせを得られる可能性があります。

ただし、登録条件や現地調査の有無、仲介方法は自治体ごとに異なります。
そのため、利用を検討する際は、対象となる物件や手続きの流れを事前に確認しておきましょう。

売却前に相続登記を必ず済ませておく

相続した土地を売却するには、亡くなった方の名義から相続人へ所有権を移す相続登記を済ませておく必要があります。
名義が被相続人のままだと、そのままでは買主への所有権移転登記を行えないため、売却手続きを進められません。

また、2024年4月から相続登記が義務化され、相続による所有権取得を知った日から3年以内に申請することが原則です。
そのため、売却を予定している場合は、必要書類や相続関係を早めに整理し、相続登記を済ませたうえで販売活動に進むと手続きがスムーズです。

まとめ:相続した土地の処分方法と制度のポイント

相続した土地を手放す方法には、相続放棄、相続土地国庫帰属制度、不動産会社を通じた売却、寄付、無償譲渡などがあります。
それぞれ対象となる条件や費用、手続きが異なるため、土地の状態や他の相続財産、今後の活用予定を踏まえて選ぶことが大切です。

特に、相続放棄は土地だけを選んで放棄できず、国庫帰属制度もすべての土地が対象になるわけではありません。
また、売却を検討する場合は、相続登記を済ませたうえで複数の不動産会社へ査定を依頼し、税金や諸費用も含めて比較すると判断しやすくなります。
土地を放置すると管理負担や近隣トラブルにつながる可能性もあるため、早めに情報を整理し、自分に合った処分方法を検討しましょう。

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